法定減価償却方法の改正

Q.当組合(3月決算)は、今年の4月に当組合が所有している更地の上にアスファルト舗装工事を200万円かけて行いました。

 新聞報道等によりますと、平成28年の4月から法人税法上の減価償却方法が一部変更になったと聞きましたが、当組合のこの度のアスファルト舗装工事については影響があるのでしょうか。


A.平成28年度税制改正により平成28年4月1日以後に法人が取得した「建物附属設備」・「構築物」の法定償却方法については、「定率法」を廃止し、原則として「定額法」のみとなりました。

 アスファルト舗装工事の資産の種類は「構築物」に該当しますので、この度の税制改正による影響を受けます。下記においてどのような影響を受けるのか確認しましょう。


1.建物附属設備・構築物の範囲

 この度の税制改正により法定償却方法の変更の対象となったのは、建物附属設備・構築物ですが、具体的には下記のようなものが該当します。

2.税制改正による影響

 ご質問のケースの場合、税制改正による今年度の減価償却費の金額はどのくらい影響があるのか計算してみましょう。なお、アスファルト舗装工事の法定耐用年数は10年です。

  ① 定額法【改正後】 (法定耐用年数10年・定額法の償却率0.100)

    200万円×0.100×12ヶ月(事業供用月数)/12ヶ月(事業年度の月数)=20万円

  

  ➁ 定率法【改正前】 (法定耐用年数10年・定率法の償却率0.200)

    200万円×0.200×12ヶ月(事業供用月数)/12ヶ月(事業年度の月数)=40万円

  

 法定償却方法が「定率法」から「定額法」になったことにより、減価償却費が40万円から20万円へ減少してしまいました。

 税制改正による影響の大きさをご理解いただけましたでしょうか。

 (もっとも10年の償却期間をトータルすると、定額法でも定率法でも償却額は同一金額になります。)

  


最後に

 正しい減価償却費を把握するのは、正しい利益を知るためだけでなく、資金繰りの面からも重要なことです。

 ひと昔前の減価償却費の計算は簡単でしたが、ここ10年くらいの法令等の改正により、近年の減価償却費の計算は非常に複雑になっております。

 実際の減価償却費の計算につきましては、中央会又は顧問税理士にお問合せ下さい。

塚越税務会計事務所

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